父親の自覚

☆このページは広汎性発達障害と診断された息子との日常から感じたこと等を書いています。
よしなしごとをお聞きいただければ幸いです。

管理人は平成１６年に息子を授かりました。
産前に各自治体で「父親教室」(自治体により多少名称は異なるかも知れません）を実施していると思いますが、管理人も１５年の秋に、生徒（？）としてこれを受講しました。その時のアンケートの中に「子どもが生まれた後に、先輩パパとして父親教室の講師になってお話してもらっても良いですか？」との項目があり、軽く考えて「○」を付けたところ、めでたく（爆）講師として招かれることになりました。
その父親教室の質疑応答の中で、後輩パパ（予定者）の一人から「自分は、まだ子どもが生まれるという実感がわかない。父親の自覚とは、どのようなものですか？」と質問されました。
正直なところ、全然考えたことがない質問だったため、しどろもどろになってかなり漠然とした答えに終始してしまいました。
しかしながら、この問いかけはその後もずーっと管理人の心の奥底にわだかまっており、子どもが成長し更に第二子を授かるに及び、自身も答えを見つけていこうという気になりました。
そんなわけで、かなり迷いながら書いて、読みにくいところもあると思いますが、この点はご容赦いただきご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。（合掌）。

医学的な解説は、日本自閉症協会さんなどの専門のHPをご覧になっていただきたいと思いますが、素人が感覚でざっくり言ってしまえば、自閉症およびそれに近似した障害の総称、ということになろうかと思います。

広汎性発達障害は、言葉がしゃべれない重い自閉症から、言葉自体は問題がないもののよくよく話す内容や相手との話のかみ合い方を見ているとあれ？　と思ってしまうアスペルガー症候群まで幅広くおります。

自閉症と広汎性発達障害は、全く別なものではありません。広汎性発達障害は自閉症の上位概念とされます。よって、その障害を考える上で、自閉症の３つ組の障害を念頭に置く必要があります。３つ組の障害とは、具体的には
「コミュニケーションにおける質的な障害（人と共感できない、など）」
「意思伝達の質的な障害（話せない、話せても言葉が変、など）」
「限定され、いつも同じような形で繰り返される行動・興味・活動（こだわり、例えばモノを一列に並べることばかりをする、など）」
の３つが揃えば典型的な自閉症ですが、健常人が千差万別であるように、必ず３つが揃う自閉症の人間だけではありません。また、障害の重い・軽いも人それぞれです。管理人は、典型的な自閉症からすべてがそろわない症状も含めて、広汎性発達障害と呼ぶんだと理解しています。

社会一般において、広汎性発達障害という言葉を知っている人はまだまだ少数派で、その中で、更に意味を正確に知っている人、となると本当にごくわずかだと思います。実際、知っているという人も、奇声を上げたり、突然走り出したり、飛び跳ねたり、体を揺らしたり、同じことを繰り返したりする子のことだ、と思っている人が少なくありません。

確かにそういう子もおりますが、それで全てではありません。また、こういう子でも、先に書いた「コミュニケーションにおける質的な障害」「意思伝達の質的な障害」「限定され、いつも同じような形で繰り返される行動・興味・活動」のどれにあたるかを考えると、最後の「限定され、いつも同じような形で繰り返される行動・興味・活動」でしかありません。そして、この３つめの障害は、加齢や対処法の習得によりある程度収まっていくようです。残り二つの障害こそが、ずーっと残って付いて回る障害になります。